ハイパーインフレとは?

ハイパーインフレ」という言葉もずいぶんアレゲに使われているようなので覚書しておく。

なんだか結構昔の学者さんが定義したところによると、ハイパーインフレというのは月率50%以上、年率で13,000%以上のインフレのことを言うのだそうである。ゼロの数は間違いじゃないですよ。いちまんさんぜんパーセント、です。確かにうほほーいですな。

一次情報に当たってないので推測だが、50%というきりのいい数字から考えて、月率のほうが厳密な定義ではないかと推測する。月率50%を年率に直すと、

(1.5^12) ≒ 129.75

129.75 × 100 − 100 = 12875% ≒ 13000% (有効数字2桁)

Wikipedia先生などによると、この定義でのハイパーインフレが発生したのは歴史上3回。ドイツ・ハンガリージンバブエの例だそうである。アルゼンチンでもかなりひどいインフレが発生したが、上記の数字には届いていない。日本で発生した戦争直後のインフレや石油ショック・狂乱物価などと言われたインフレももちろん届いていない。

一方、世間ではハイパーインフレという言葉はもっと緩く使われているようだ。「ハイパー」という言葉の響きが素晴らしいからか、とんでもない高インフレ、というくらいの意味で使ってしまう人が沢山いる。しかし実際のところどうなのよと。日本経済がハイパーインフレになるぞという主張があったら、それが年率13,000%以上のインフレのことを指しているのか、指しているとしたら定量的な根拠があるのかどうかは確認しておいたほうがいい。そしてそうでない意味で使われているのだとすれば、一体どの程度のインフレ率を指して「ハイパー」と呼んでいるのか確認したほうがいい。と思う。ハイパーに届かなければ問題ない、などと言う気はもちろんないが、何を持って破局とみなすのかについて、まず確かめないと意味がないだろう。